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「じゃーいこっか、職員室まで案内するよ」
「おー…ってちょっと待て!なんだその格好…」
「……?」
「カメラ!いっつもそんな持ち歩いてたのか?」
「ああうん、これが僕のフル装備」
昨日はちょいっと忘れちまっただけさ!それに理央もフル装備じゃん。ボサボサのカツラに瓶底メガネ、制服もきっちり着てオタクの完成だね!朝の寝起きで可愛かった理央はどこにもいないね!
駄菓子菓子、…あ、間違えただがしかし!僕は見た、このボサガツラを必死に梳いている理央を。結局は諦めたみたいだけどね。うんうんナイスカツラ!
「…カメラも趣味なのか?」
「いってなかったっけ?」
「聞いてない!なっ、今度撮った写真俺にも見せてくれよ。いーだろ?」
「っ…もちろん!」
人に写真を見てもらうのは結構好きだ。保とはそっちの方でも仲良くしてもらってて、…まぁ僕の話はいっか。しっかりカメラを持って理央と一緒に寮を出る。いつもはこれくらいの時間に出て歩いて向かうけど、今日は理央もいるから車で。
いやー歩いてるとたまーに見るんだよね、木に隠れてチュッチュしてるカポーとか仲良さげーに歩いてる将来有望な子たちとか。…え?それを写真に撮ってるんだろって?バレたか。でも車の中でイチャコラしてるのを見るのもいいなって、僕は改めて思いました。
「ここが2つの校舎を繋げる渡り廊下。昨日きたなら分かる…よな?」
「おー確か3階だよなっ」
「…チッ、覚えてたか…方向音痴を期待した…いやいや、これから迷子になることも…!」
「伊織くん、僕方向音痴じゃないし迷子になりませんから」
ブーブー!そこは迷って昼寝中の会長とかにバッタリ会っちゃうんだぜ!…あ、でも食堂で初めての方が僕的には…うん、まぁいいか。
「僕7組だから、何かあったら来ていいし」
「ありがとな。じゃ、僕はいきます」
「バイバーイ」
職員室へ向かう理央を見送って、理央って何組なんだろうかとふと考える。僕とはクラス違うみたいだけど…2組がいいな。あそこホストセンセーだし確か一匹狼くんがいたはず…!なれ!2組になれぇえっ!!
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