12 「じゃーいこっか、職員室まで案内するよ」 「おー…ってちょっと待て!なんだその格好…」 「……?」 「カメラ!いっつもそんな持ち歩いてたのか?」 「ああうん、これが僕のフル装備」 昨日はちょいっと忘れちまっただけさ!それに理央もフル装備じゃん。ボサボサのカツラに瓶底メガネ、制服もきっちり着てオタクの完成だね!朝の寝起きで可愛かった理央はどこにもいないね! 駄菓子菓子、…あ、間違えただがしかし!僕は見た、このボサガツラを必死に梳いている理央を。結局は諦めたみたいだけどね。うんうんナイスカツラ! 「…カメラも趣味なのか?」 「いってなかったっけ?」 「聞いてない!なっ、今度撮った写真俺にも見せてくれよ。いーだろ?」 「っ…もちろん!」 人に写真を見てもらうのは結構好きだ。保とはそっちの方でも仲良くしてもらってて、…まぁ僕の話はいっか。しっかりカメラを持って理央と一緒に寮を出る。いつもはこれくらいの時間に出て歩いて向かうけど、今日は理央もいるから車で。 いやー歩いてるとたまーに見るんだよね、木に隠れてチュッチュしてるカポーとか仲良さげーに歩いてる将来有望な子たちとか。…え?それを写真に撮ってるんだろって?バレたか。でも車の中でイチャコラしてるのを見るのもいいなって、僕は改めて思いました。 「ここが2つの校舎を繋げる渡り廊下。昨日きたなら分かる…よな?」 「おー確か3階だよなっ」 「…チッ、覚えてたか…方向音痴を期待した…いやいや、これから迷子になることも…!」 「伊織くん、僕方向音痴じゃないし迷子になりませんから」 ブーブー!そこは迷って昼寝中の会長とかにバッタリ会っちゃうんだぜ!…あ、でも食堂で初めての方が僕的には…うん、まぁいいか。 「僕7組だから、何かあったら来ていいし」 「ありがとな。じゃ、僕はいきます」 「バイバーイ」 職員室へ向かう理央を見送って、理央って何組なんだろうかとふと考える。僕とはクラス違うみたいだけど…2組がいいな。あそこホストセンセーだし確か一匹狼くんがいたはず…!なれ!2組になれぇえっ!! [*前へ][次へ#] [戻る] |