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って、もう1人!?


中に、もう1人いた。
もしかしたら僕のこと知ってて、逃げないように2人がかりでヤろうとかそういうことなのかもしれない。

マズい。

逃げようと振り返ってもあの人がドアの前に立って出入り口を塞いでいるし、中にいた男はこちらに向かって歩いてくる。


ど、どうしよ…っ。



「お前に用があるのはこの俺だ。逃がしはしねぇ」

「嫌だ…ご、ごめんなさい…っ」

「ははっ、何に謝ってんだか。…おら、いいからこっち来いよ」

「い゙…っ!はな、離して!」


──ドサッ

「……ずいぶん、悪いことしてるみたいだな…香澄チャン?」



っ、僕の名前…!
僕を捕まえてベッドの上に押し倒したこの男は、確かに "香澄チャン" といった。

目を見開いて何でと無言で問いかけても返事はなく、ニヤニヤとした男前な顔をゆっくりと近づけてくる。

暴れてみても僕の力じゃ意味なんてなさなくて、今までがどれだけ幸運だったのかを、思い知らされた。



「男誘って、イイコトしてたんだろ?なぁ…俺も誘ってみろよ」

「嫌だっ…してな、離してっ」

「誘え!……あの顔をもう一度、俺に見せろ…」

「ヒッ…!で、出来な…いっ」

「……チッ」



やっぱり、見ていたんだこの人は。僕が誘うとこを、見ていた。見られていた。
そしてきっと、イイコトなんていっておきながら僕がすぐ出てきたことを知ってる。

詐欺師だと、警察に突き出すつもりなのか…!?



「金なら出してやるぜ?ほら…」

「っ…ム、リ…!!」

「……そりゃ、残念だ」

「わ、分かったらどい、ンぅ!?…っ、んぅっ」


──レロ…ッ



ぁ…あ…キス…!?

至極つまらなそうな顔をしたこの男は、なんの躊躇いもなくキスをしてきた。
僕のファーストキスなのに…!



「んー!んっ…ゃ、ふ…はっ、ぁ…ん、んンッ」

「はっ…、」



唇を割り、男の舌が歯列をなぞってくる。それ以上は嫌だと歯を噛み締めていたけれど、鼻を摘まれて苦しくなった僕は、口を開いてしまったんだ。

ヌルリと入り込んで暴れる男の舌。



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