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暫くして日も落ちてきた頃。

「じゃあ、帰るかのう…」
「え、もう帰っちゃうの……?」
「明日は朝練じゃしのう」
「じゃあ今日はうちで夕食食べて行ってよ!」
「そりゃ悪いぜよ」
「平気だよ。今日は両親ともに帰ってくるの遅いから。だから兄貴と二人で焼き肉の予定だったし!」
「焼き肉か……」

雅治は焼き肉が好きだ。好きな食べ物は結構進んで食べてくれる。(私のお弁当はいつも食べてくれるけどね!)

私たちが夕食について話していると、バン!と急に音がした。ドアが開いた音だった。


「折角、深空と2人きりの夕食なのに、何で仁王も一緒に食べるんだ!」

予想通り……そこに立っていたのはやはり、兄貴だった。

「また勝手に聞いてたの?止めてよ!」
「僕は反対だよ!」

スルーか……最近兄貴は私の事をスルーすることが多い。兄貴のくせに許し難いね……!

「じゃあ一緒にさせて貰うかのう」
「仁王!僕の話し聞いていたのか?」
「聞いてたぜよ。でも深空が良いって言っとるんじゃ、彼女とずっと一緒に居たいと思うのは当たり前ぜよ」
「でも―――」


「お兄さま、お願い!」

必殺、涙目&上目遣い!よく分からないが、対兄貴用として、柳さんが教えてくれた。滅多な事がない限り絶対に遣わない方が良い、と言われているが今はその滅多な事だろう。

「「(か、可愛いすぎる……!)」」

「ど、どこで、そんなもん知ったんじゃ?!」
「え?柳さんだけど……」
「くそ、蓮二の野郎……これじゃダメなんて言えないじゃないか!」
「て、いうことは……?」
「……良いよ…………」
「やったぁ!ありがとう兄貴!」

そしてありがとう、柳さん。上手くいったら連絡をくれって、言ってたから今度伝えなくちゃ。これで、私たち3人は一緒に家で焼き肉をする事になった。お肉や野菜は午前中に6人前で買っていたので、1人増えても全然構わない。何故6人前なのかだって?それは、ただの買い置きだよ。明日は買い物行く暇があんまりないから、明日の分も買っておいたのだ。明日はちょっと大変だろうけど、後悔はしない。だって雅治と一緒に夕食を食べられるんだもんね。





―――後半へ続く

*091006



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あきゅろす。
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