今日は第1日曜日なので、テニス部の練習がない。
私が入ってるバレー部も日曜日は休みだから(たまに練習や試合が入るけどね)、雅治とお昼過ぎから私の家で遊んでいる。家には兄貴もいるけど、私の部屋だし雅治も気にするな、って言うし、気にしない。
「雅治、ジュースおかわりいる?」
私は雅治のジュースが無くなってきていることに気付いたので、雅治に尋ねた。
「おう、頼むぜよ」
「何が良い?」
「さっき同じで良かよ」
「OK、ちょっと待ってて」
私は雅治のコップを持ち、立ち上がってドアを開けた。ドアを開けると、"ガン!"と何かにぶつかった音がした。何だろう、と顔をしかめていると雅治が声を掛けてきた。
「どうしたんじゃ?何か音したようじゃけど…」
「何かがぶつかったみたいなの」
私は雅治にそう伝え、恐る恐るドアの向こう側を覗いた。雅治も私の後ろから覗き込んでる。
「……何してるの?………………兄貴」
そこに居たのは私の兄、幸村精市。大魔王にして、シスコン。私たちの邪魔ばかりしてくる、困ったバカだ。
「この部屋の前を通ったら、急にドアが開いてぶつかっただけだよ」
絶対嘘だ。だって足音なんてずっとしてなかったし、人が動いていた気配なんて一切感じられなかった。大魔王のくせに、たまにこういうバカみたいなことを言い出す。やっぱり、私の家じゃなくて雅治の家にしとけば良かったな。
「はいはい、嘘は止めんしゃい。どうせ俺らを監視してたんじゃろ?」
「そんなはずないだろ?大切な大切な妹の部屋に、聞き耳なんてたてるわけがないさ」
いや、もうほとんど信じられないし……。何を今更……今までも似たようなことばかりしてたじゃない。
「兄貴は自分の部屋に居て」
私は兄貴を自分の部屋(通称兄貴収監場)に押し込んで、雅治のジュースを注ぎに行った。
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