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企画部屋
わかり合えるまで・3
「いちさん?」
訝しげに呟かれた自分の呼び名に、一期ははっと意識を現実に戻す。視線を下に下げれば、心配そうな顔をした死織がいた。
「大丈夫?いちさん。なんかぼーっとしてたけど」
「ええ、大丈夫です。……ここに来た頃のことを、思い出していました」
「あー、懐かしいねぇ。もう半年経つんだね」
嬉しそうに微笑む死織の後ろから、乱の声が飛ぶ。
「あーるーじーさーまー!みんなー!おやついらないのー?」
「燭さんのおやつ食べないとかないからー!
……ほら、いちさん行こ?」
乱に叫び返し、にっこりと笑った死織は一期に手を差し出す。その手に自分の手を重ね、軽く握った。
「はい、主殿」
頷いて満面の笑みで駆け出した死織に引っ張られ、一期も中庭を駆ける。きゃぁきゃぁと上がる弟達の笑い声につられるように一期も笑みを浮かべていた。そして思う。
自分達兄弟の主が彼女で、心の底から良かったと。それから―――
(主殿。貴女が私の゙妹゙で、本当に良かった)
自分達を゙家族゙と呼んでくれる心優しい彼女が、いつまでも穏やかに過ごせますように。
一期はひっそりと、心の中で祈った。

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あきゅろす。
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