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(ど、して…アイツ、なん…だろ)

(むぅ…やっぱ今日のハーちゃん、変や)


 元気がないような、寂しそうな。でも何かあったときは蓮見は必ず話してくれた。だから紅葉は待つことにしたのだ。たとえそれが、一生紅葉に話されることがないとしても。

 後ろの蓮見に少し体を預けながら、真っ青な空を静かに見つめ、はぁ…っと白い息を吐き出した。

 それをやはり無言で見つめる蓮見。好き、という気持ちは他の人よりも大きく、その分ショックというのも大きく受けた。だが、どこかスッキリしたような顔をしているのはなぜだろうか。


(好き…かわい、ものも…紅葉、も)


 今は、それで納得しておこう。けれど紅葉との時間を取られるのは嫌だから、今まで以上に邪魔をしてやろう。蓮見は紅葉と同じように白い息を吐きながら、密かにそんなことを思った…。







 パーティーというからに欠かせないのは、正装。本来なら皆男なため、タキシードやスーツで済みそうなものだが、この学園は違う。今までにも極普通に話題にあがっていた "女装"。



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あきゅろす。
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