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 何かが落ちた音。オートロックなため普段なら部屋を見向きもせずいってしまうが、音に気づいた椿は足を止めて振り返った。目に入ってくるのは、扉の前に落ちている可愛らしい袋。恐らく、ドアノブにかかっていたのだろう。


「何や何やー?こないなとこまで…」

(…まさか、一葉チャンか三葉チャンか?)


 だってここは生徒会用の階。一般生徒は入れないため、それしか考えられないのだ。もちろん、この可愛らしい包みが桐のだとは一瞬たりとも考えたりはしない。考えちゃいけない。

 不思議に思いながらも袋を開けると、そこにはさらに包装紙で包まれたものが。椿は訝しげに取り出し、そして遠慮なく包みを破った。ビリビリッという音が、嫌に大きく廊下に響く。


「……オセロ?…と、こっちはチェスやな…」

(やー…はは、どないせぇっちゅーねん)


 何なんだ、と半ば不気味に思いながらも、もう一度袋の中身を確認する。するとそこにはメッセージカードが入っていて、椿はそれを開き、そこに書かれた可愛らしい綺麗な文字に笑顔を浮かべた。



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あきゅろす。
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