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 智春は、ポロポロと涙を流す紅葉になぜか全てを話していた。こうして悲しい思いをさせたくないから1人でいたんだ、ということも。それを淡々と話す智春を見て、紅葉は思った。


(ふぇぇ…っ、泣かへんで、先生…っ)


 この涙はきっと智春のものなんだと。本人は泣けなくなってしまったから、今、代わりに泣かされているのではないかと。そしてそんなことを思いながら、紅葉の頭の片隅では、あることが計画に追加されていた。

 みんながみんな、幸せになりますように…と。


「早いとこ泣きやめよ。俺が永井に怒られる」

「っ!…ふ、ふぅぅ…っ」

「……悪い、泣いていいから唇噛むな。ったく…」


 唇を噛み締めて泣き止もうとする紅葉に苦笑いをし、タオルを用意する。それからようやく泣き止んだ紅葉を蓮見と菖蒲が迎えにきて、話したことは秘密に、なんてわざとらしく約束し、紅葉たちは寮に戻った。

 さぁ、あとはクリスマスを待つだけだ。


 パーティーはいつやるのか、なんて特に決まりはなく、今回は25日の夜に決定した。そして桐の提案…というよりはめんどくさがりにより、23日はもちろん24日も休みになり、25日は2学期最後の日にもなったのだ。



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