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 呆れたため息しか出て来ないのも仕方ないだろう。まだ保育器の中に入っているその子は、何があったかなんて知らずにスヤスヤ寝ている。組長は軽く覗き込んではいるが、決して手を出そうとはしない。

 それもそうだろう、自分の子だというのに赤の他人に育てさせるつもりでいるのだから。男だ、なんていいながら内心は邪魔な子だとまで思っているのだから…。


『もう連れて帰った方がエエんやろか?』

『ご心配でしたらまだ平気ですよ』

『ほな道具揃えなアカンし、今日んとこは帰りますわ』

「え、帰るんスか?」

『……連れて帰りたいんか?』

「っ…いや、まだワイにも準備が…」


 というか、本音をいえば一生連れて帰りたくないのだが。組長もそれは分かっているだろうが、若葉は心の中に留めてひとまず組に帰ることにした。

 最後に赤ん坊を見ていたが、ただ渋い顔をするだけだった…。


『ほな後は任せたで』

「……あの、ホンマにアレの面倒をワイがみるんやろか…?」

『そうや、名前も付けたりぃ。父親はお前なるさかい、好きにしぃや』

「っ、い、いつまでやろかっ!?」

『何いうとんねん、一生や』




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