2 ついに正式に開催することが発表され、どのクラスからも歓声が沸き上がっていた。紅葉はその喜びように驚き、耳を塞いで嬉しそうなみんなをさらに嬉しそうな笑顔で見つめる。 みんなが楽しいと自分も楽しい。今まさに、そんな気持ちなのだろう。 『そういえばパーティーの噂知ってる?』 『え、何なに?』 『クリスマスパーティーで告白すると必ず実るってやつ!』 『うっそーどうしよ、僕しちゃおっかなっ』 『なあ!でもそれって何人も同じやつにしたらどうなるんだよ』 『あ…さあ?』 『意外と条件ついてたりしてな。何かの下でーとかありがちな!』 たまにしか開催されないパーティーだからこそ、こうして色んな噂がたち、次のパーティーに持っていかれるのだろう。みんながみんな独自の言い伝えを話し出し、どれが本物かとハシャいでいた。 そして他にも何をするのかなど予想をたてる人もいて、一緒になって話が出来ないことに紅葉はほんの少し、もどかしさを覚える。 (僕…僕はね、きっと狂い桜とか咲くんやないかって思っとるの。それで、それで…っ) [*前へ][次へ#] [戻る] |