あのあと
紅葉も1時間もすれば目を覚まし、何があったのかを思い出して怖かったと泣いた。だがすぐに落ち着きを取り戻し、そして笑顔で桐に抱きついて "ありがとう" と伝えたのだ。
あのときの蓮見のショックを受けた顔は、彼を崇拝している人には見せられないだろう。
桐がギリギリのところで助けにきてくれたからなのか、特に精神的にも傷は見受けられず、智春に見てもらったが大したケガもなかった。
紅葉は蓮見にだっこをされたまま自分の部屋に連れ戻され、お風呂に入ってその日はゆっくり休んだ。
次の日学校へいけばクラスのほとんどの人に大丈夫かと声をかけられ、桐のだろう親衛隊の子たちからは恐怖の眼差しを向けられた。
恐らく箕禍に何があったのか連絡が回り、紅葉は憎むべき対象から、恐怖の対象になったのだろう。ひとまずはまた襲われることもなさそうだ。
……と、いうことで今日の準備時間は、紅葉たちは生徒会の発表の練習をすることになった。音楽室を一つ貸切、みんなで各自の楽器を練習する。
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