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【若ちゃんがね、標準語使いなさいっていうの】

「ああ?誰だよ」

「ちょ、…紅葉チャンの父親やん…」

「あ、あぁ…変な親だな」

【変じゃないもん!一々突っかかってくる桐が変なのーっ】

「……あ゙?」


 イーッと挑発するような仕草に、桐はカチーンと頭を鳴らす。紅葉にとっては幼い頃からそう育てられてきたわけで、でも関西弁を覚えてしまってそれが単に抜けないだけ。実は若葉がなおそうと言い直すのも好きで、わざと使うときもあるのだが。

 だがそれは今はどうでもいい。変な人だといわれたのがちょっとムカついて、言い返してみただけなのだ。むっとしていた顔はすぐおかしくて堪らないという顔になり、上機嫌のまま食べるのを再開した。


「ははっ、コロコロ変わってかわええなー紅葉チャンは」

「チッ、この俺様に楯突くなんざ100年はえぇっつーんだ…」

「まぁまぁ。…そや、このあと俺と一緒に風呂入るか!」

「……!」


(え、わ、…ちょっと入ってみたい…かも)

 そう思うのはやはり若葉の面影を見ているからなのだが。



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あきゅろす。
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