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「何々ー?なんて書いてあるのっ?」

「んー?」

「見せて見せてっ!てか読んでっ」

「ちょ、落ち着いて三葉っ」

「だってー」

「好きですー書かれとるだけや。なー?」

「っ…(コクコクッ)」


 向けられた笑顔は、とくにいつもと変わりのないもの。紅葉はホッとしたように頷き、椿にだけ笑顔を向ける。そんな2人だけの空気が気にいらなかったのか、桐が大きく舌打ちをした。

 それに不敵に笑う椿は、口ではなく紅葉と同じように紙とペンで返事をする。


【そないに似てるん?】

【結構似てますっ】

【甘えたなるん?】

【…なり、ます】

【エエでー甘えても。オニーサンが可愛がったる!】

「っ…!?」


 驚いたように、でもキラキラした瞳で見つめる紅葉。迷惑だとか、俺はその人じゃないといわれるのを覚悟していたのに、甘えてもいい。

 オマケにどうだろう、若葉のことについては何も聞いてこないではないか。聞かれたらどう答えようかと悩んでいた紅葉にとって、それすらも救いだった。

 ……正確には、他の誰よりも有利な立場に立ててすっかり調子にノっていただけなのだが。



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