[携帯モード] [URL送信]

「おい紅葉…紅葉ーっ!」

「ぅ、はぁいっ」

「ったく、目ぇ届くとこにいろっつったやろ」

「おめめ、いるん?」

「……はぁ、ワイのそばにいろや」

「わかちゃ、いるっ」


 えへへ、と笑う紅葉はたどたどしいながらも走るまでになり、単語もたくさん覚えてきた。今じゃ色んなものに興味があるせいで、目を少しでも離すといなくなり、若葉はそのたびに大声で呼んでいた。

 こういうとき、部屋が狭くて良かったとつくづく思う。


 父親になってもう2年。離乳食からも卒業しようと色んなものに挑戦しだすこの時期に、若葉はついに料理をやり始めた。自分1人だったらしなかっただろう自炊、それほど紅葉を大切に思っているのだろう。本人は気づいていないが、紅葉が笑うと顔がデレデレになって逆に怖いくらいだ。


「もうすぐメシ出来るさかい、ちょお待ってーな」

「めしっ、めしっ」

「……あー…ご飯や。ゆうてみ、ご・は・ん」

「あぁぅ…ご、ぁ、んっ」

「ま、エエか。よぉ出来ました」

「キャハハ、なでなで、すきー」




[*前へ][次へ#]

19/100ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!