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スッポリと腕の中に収まる小さな体。首がとても危うくて、髪も少なければ手なんて指1・2本分の大きさしかない。初めて抱き上げたのか、その危うさと脆さに、若葉は思わず息を飲んだ。
『ふふ、かわええわー名前決めました?』
「……い、一応…」
『何くんですか?』
「も、みじ…椎名、紅葉や」
『紅葉くん、ええ名ですね。立派に育つんですよーっ』
「キャハハッ、あぅ、あー」
(っ…これが、ワイみたいになるんか…?)
3日間、ムダに真剣に考えてしまった名前。もしかしたらその時点ですでに愛着が湧き出していたのかもしれない。いつも睨んでばかりの目には感動の色が見え、赤ん坊──紅葉も若葉に笑顔を見せた。
「……チッ、一応面倒見たるさかい、大人しくしぃや」
「うー?」
(そのうち自分で育てるいうやろ…)
まだそんな軽い気持ちだけれど。これが2人の出会いとなり、ここから長い物語が始まるのだ…。
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