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子育ての本に、それを参考にしてベビーベッドにオムツ、服、おもちゃ、ミルクその他もろもろ。若葉にとって体験したくなかった初めてのものばかりだ。
「………チッ」
『あんなのに子供?』
『やだ、可哀想に…』
「あ゙あ゙?!見てんやなかぁババア共が!」
『『ひぃぃっ』』
(こっちかて好きで育てるんやないわクソがっ)
だから、イライラして人を睨みつけるのも見逃してやって欲しい。そしてこの日から3日後、ようやく心の準備…というより諦めのついた若葉は、病院へ赤ん坊を迎えにきた。
「こうなったらむっちゃエエ奴に育てるか、跡継ぎなんて目でもねぇくれぇ強い奴に育てたる…っ!」
『あ、あの、椎名さん…?』
「あ゙ん!?」
『ひっ!!』
「……あ、いや…チッ、アイツはどこや」
こちらです、という案内について、ついに再会した若葉と赤ん坊。数日前と変わりなく、唯一違うことといえば目を覚ましているということだろうか。若葉は眉をしかめたが、何もいわずに手渡された赤ん坊を抱き上げた。
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