7 子育ての本に、それを参考にしてベビーベッドにオムツ、服、おもちゃ、ミルクその他もろもろ。若葉にとって体験したくなかった初めてのものばかりだ。 「………チッ」 『あんなのに子供?』 『やだ、可哀想に…』 「あ゙あ゙?!見てんやなかぁババア共が!」 『『ひぃぃっ』』 (こっちかて好きで育てるんやないわクソがっ) だから、イライラして人を睨みつけるのも見逃してやって欲しい。そしてこの日から3日後、ようやく心の準備…というより諦めのついた若葉は、病院へ赤ん坊を迎えにきた。 「こうなったらむっちゃエエ奴に育てるか、跡継ぎなんて目でもねぇくれぇ強い奴に育てたる…っ!」 『あ、あの、椎名さん…?』 「あ゙ん!?」 『ひっ!!』 「……あ、いや…チッ、アイツはどこや」 こちらです、という案内について、ついに再会した若葉と赤ん坊。数日前と変わりなく、唯一違うことといえば目を覚ましているということだろうか。若葉は眉をしかめたが、何もいわずに手渡された赤ん坊を抱き上げた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |