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幸い子育てに必要なお金は組…組長個人が出してくれるらしいし、他の仕事をさせないというわけでもなさそうだ。とりあえずその日はやけ酒と称してガンガン飲み、知らず知らずのうちに眠りについた…。
『〜〜、…──!?』
「っ゙…じゃかぁしぃゆうとるやろ!こちとら二日酔いで頭痛いんじゃボケェッ!……っあ゙ー…」
『……──…──』
「……こっちにも事情あるんや。さっさと子育てに必要なもん教えんかいクソババア」
…次の日、激しい頭痛にみまわれながら若葉が起きたのは昼すぎだった。適当にカップラーメンを作り、そして一番子育ての仕方が分かっているであろう母親に電話をしていたところだ。
当然のごとく怒られも驚かれもしたが、それでも若葉は何も話さずに早く答えろと母親を促す。相手も諦めたのか、簡単に必要なものなどを教えてくれた。
……が、やはり聞くだけでは分からないし、忘れていることもあるかもしれない。
(チッ、本かなんか買うた方がエエんか…?)
他人の子供のために悩むなんて、と若葉は何回目か分からないため息をついた。そして服をラフなものに着替え、財布と鍵を持って家を出る。数ヶ月前に手に入れたキズだらけの車に乗り、若葉は買い物に出かけた。
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