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「何かあったらいってくれて構わないから。…あ、もちろん午前の授業は公欠にしてあるしね」
「職員室へはお昼休みに行ってくれにゃ」
「はい、分かりました。えっと…じゃあ、案内するから…」
「ああ、しーっかり教えてくれよ?」
「辰巳もね。……失礼しました」
最後に理事長たちに頭を下げて部屋を出た。廊下にはオレと辰巳、そしてcolorsの仲間が2人だけ。
この2人はオレと辰巳を前に恐縮しちゃってるけど……ああ、辰巳がここにいるんだ。
「……まさか、お前の行ってる学校がここだったとはな」
「あれ…オレいってないっけ?」
「全寮制のとこ、としか聞いてねぇよ。送らせもしねぇしな」
「そういえば…そうかも。てか送り迎えって女じゃないんだから…」
「うっせぇ。……メール、来なくて心配した」
「あ…っ、ごめ、ん…」
ああ、本当に心配してくれたんだろうな…いつもは鋭い目が不安そうな色をしていた。
だから素直に謝ると、ギュッと包まれるように抱き締められた。
あ…久しぶりかも。
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