23 「何かあったらいってくれて構わないから。…あ、もちろん午前の授業は公欠にしてあるしね」 「職員室へはお昼休みに行ってくれにゃ」 「はい、分かりました。えっと…じゃあ、案内するから…」 「ああ、しーっかり教えてくれよ?」 「辰巳もね。……失礼しました」 最後に理事長たちに頭を下げて部屋を出た。廊下にはオレと辰巳、そしてcolorsの仲間が2人だけ。 この2人はオレと辰巳を前に恐縮しちゃってるけど……ああ、辰巳がここにいるんだ。 「……まさか、お前の行ってる学校がここだったとはな」 「あれ…オレいってないっけ?」 「全寮制のとこ、としか聞いてねぇよ。送らせもしねぇしな」 「そういえば…そうかも。てか送り迎えって女じゃないんだから…」 「うっせぇ。……メール、来なくて心配した」 「あ…っ、ごめ、ん…」 ああ、本当に心配してくれたんだろうな…いつもは鋭い目が不安そうな色をしていた。 だから素直に謝ると、ギュッと包まれるように抱き締められた。 あ…久しぶりかも。 [*前へ][次へ#] [戻る] |