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……強引だなぁ、2人は関係ないっていうのに。
でも辰巳もキングもやる気はバッチリで、さっそく睨み合ってる。
「カ、イ…ッ」
「……ケガ、ないか?」
「ない、けど…」
「お前のために勝ってくる。少しだけ待ってろ」
「っ…アンタが負けたら承知しないからな!…colors副総長としてっ」
「ククッ…ああ」
ポンポンと頭を撫で、その手を少しおろして顔に触れてくる。
その目は優しさを含んでいて、凄く…凄く、暖かい気持ちになった。
このままでいたい。
そう思っていたオレを現実に引き戻したのはもちろんキングで、呼ばれた辰巳は目を鋭くさせていってしまう。
ああ…っ、ゾクゾクする。
あの、狼のような獲物を狙う鋭い目。
「……おいクイーン、ソイツを連れてどっか消えろ」
「そうだな、邪魔されちゃ困る。前田、少し休んでこい」
「え、いやでも黒蝶が…っ」
「オレは、カイのこと最後まで見なきゃいけないから。…もうこんなもの見なくていいし、さ」
「そうだね…行こっか、弘樹君」
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