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……前田の奴、ケンカを見慣れてすらねぇのか?メチャクチャ怯えてんじゃねぇか。



「ただ…目がいった、それだけじゃ…くっ、ダメかなっ?」


「っ…はぁ、いいんじゃ、ない…?」


──ガツッ!


「はぁ、はぁ…一目惚れは、あるって信じてるし」


「……っ、ふふ…良かった。僕もそう、思うよ…っ」



2人の腕がぶつかり合い、少し息を整え、クイーンの足が瑛太へ伸びてくる。

それをクルッと回ることで回避した瑛太は、そのままの勢いでクイーンの背中に向かって回し蹴りをした。


チッ、入りが浅そうだな…。


それにしても…、クルクル動くたびに揺れる黒髪。
暗闇に映える瑛太の白い肌。
ヒラリと舞うようにかわすその姿。

……黒蝶。



「綺麗だ……」



額から飛ぶ汗も光って見え、相手を見据える強いはずの瞳が、逆に守ってやりたくなるほど儚い。

儚くて、脆い。


それに…やはりクイーンの方が少しばかり上だ。ギリギリ勝てるかどうかの勝負だったが、それも怪しくなってきた。



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あきゅろす。
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