22
オレのせいで、傷つけて。
でも、
でもでも、こんなオレを、嫌わないで…見捨てないで。
オレにはあなたしかいないんです。
この日もイルカを強く抱いて眠りにつき、夜中に起きることなく朝を迎えることとなった。
◆
──ザワッ
『……え、あれ黒蝶…だよね?』
『何で戻ってんの?』
『つか何日ぶりだ、見んの』
『ね、なんか…2人の雰囲気暗くない?』
「っ…」
「大丈夫だ、瑛太……大丈夫」
食堂でも酷かったが、学校へ来ても周りの視線が凄い。
辰巳がきたばかりのときのようにみんなが見てきて、正直吐きそうなほど気持ち悪い。
見た目のせいも、あるのかもしれないけど。
あげていた前髪は、前のように放置のままだし、少し見えている右頬は赤みがある。
何よりも、3人で歩いているのに1人でいるようなこの距離。それが周りを余計煽ってるみたいだ。
「やな思い、させて…ごめん」
「あ?…やな思いしてんのは瑛太だろ」
「ごめん…」
「……チッ、てめぇらこっち見てんじゃねぇ!」
『『うわ…っ!』』
それから、辰巳の甘さを利用してごめん。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!