22 オレのせいで、傷つけて。 でも、 でもでも、こんなオレを、嫌わないで…見捨てないで。 オレにはあなたしかいないんです。 この日もイルカを強く抱いて眠りにつき、夜中に起きることなく朝を迎えることとなった。 ──ザワッ 『……え、あれ黒蝶…だよね?』 『何で戻ってんの?』 『つか何日ぶりだ、見んの』 『ね、なんか…2人の雰囲気暗くない?』 「っ…」 「大丈夫だ、瑛太……大丈夫」 食堂でも酷かったが、学校へ来ても周りの視線が凄い。 辰巳がきたばかりのときのようにみんなが見てきて、正直吐きそうなほど気持ち悪い。 見た目のせいも、あるのかもしれないけど。 あげていた前髪は、前のように放置のままだし、少し見えている右頬は赤みがある。 何よりも、3人で歩いているのに1人でいるようなこの距離。それが周りを余計煽ってるみたいだ。 「やな思い、させて…ごめん」 「あ?…やな思いしてんのは瑛太だろ」 「ごめん…」 「……チッ、てめぇらこっち見てんじゃねぇ!」 『『うわ…っ!』』 それから、辰巳の甘さを利用してごめん。 [*前へ][次へ#] [戻る] |