19
……ああ、最低だ。
辰巳の顔を見ることが出来なかった。
あんなに優しく声をかけてくれてるのに、オレはなんて嫌な奴なんだろう…。
そのまま落ち込んでいきそうになるのをグッと堪え、食器を片して仕方ないからゲームをすることにした。
1人で部屋に残るのは心細いけど、…1人が、1人だから安心出来てしまった…。
◆
夜、今日だけは甘やかしてほしいということで、部屋で食事をすることになった。
普段は料理をしないせいで冷蔵庫にまともなものはなく、簡単なチャーハンを作る。
明日の朝からは人と接触する。
だからせめて、今日だけは…いいよ、ね?
「ん?あれー3人分…タッツーの?」
「っ…いや、うん…そうなんだけど、」
「……ああ、俺呼ぼっか」
「お願いします…」
昨日のおにぎりのお礼もいいたいし、いくら少し怖いといっても…一緒に食べたい。
それってワガママなのだろうか?
でも作っちゃったものは仕方ない。そういい聞かせる自分は、どこまでも卑怯で最低だ。
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