19 ……ああ、最低だ。 辰巳の顔を見ることが出来なかった。 あんなに優しく声をかけてくれてるのに、オレはなんて嫌な奴なんだろう…。 そのまま落ち込んでいきそうになるのをグッと堪え、食器を片して仕方ないからゲームをすることにした。 1人で部屋に残るのは心細いけど、…1人が、1人だから安心出来てしまった…。 夜、今日だけは甘やかしてほしいということで、部屋で食事をすることになった。 普段は料理をしないせいで冷蔵庫にまともなものはなく、簡単なチャーハンを作る。 明日の朝からは人と接触する。 だからせめて、今日だけは…いいよ、ね? 「ん?あれー3人分…タッツーの?」 「っ…いや、うん…そうなんだけど、」 「……ああ、俺呼ぼっか」 「お願いします…」 昨日のおにぎりのお礼もいいたいし、いくら少し怖いといっても…一緒に食べたい。 それってワガママなのだろうか? でも作っちゃったものは仕方ない。そういい聞かせる自分は、どこまでも卑怯で最低だ。 [*前へ][次へ#] [戻る] |