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……オレのために、したことない料理をしようとしてくれたんだ?
何があったのか、聞いちゃったんかな。ね、その赤く腫れた目……オレのせい?
それを聞くのが怖いし、弘樹も何もいわないからオレも何もいわないことにした。
余ったやつでちゃんとしたホットケーキを作り、バターとかシロップを用意して机に並べる。
……おにぎり、食べてあんじゃん。なのにお腹、空いてんの?
「おー美味そうな匂いっ」
「ははっ、ありがとう」
「ん?いや、こっちがありがとーでしょ」
「………うん、ありがとう」
「………おぅ」
弘樹が泣いたのはオレのせい。
オレのせいだけど、オレのためでもあるんだよね?
このご飯のことだって、
何もいわないことだって、
オレに触れてこないことだって。
わざと距離をとって移動するのは、オレのためでしょう?
だからありがとう。
心友という存在に、ありがとう。
「いっただっきまーす!」
「綺麗に食べて下さーい」
「うふへっ。ん、うまい!」
「弘樹と違って作り慣れてるしね」
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