17 ……オレのために、したことない料理をしようとしてくれたんだ? 何があったのか、聞いちゃったんかな。ね、その赤く腫れた目……オレのせい? それを聞くのが怖いし、弘樹も何もいわないからオレも何もいわないことにした。 余ったやつでちゃんとしたホットケーキを作り、バターとかシロップを用意して机に並べる。 ……おにぎり、食べてあんじゃん。なのにお腹、空いてんの? 「おー美味そうな匂いっ」 「ははっ、ありがとう」 「ん?いや、こっちがありがとーでしょ」 「………うん、ありがとう」 「………おぅ」 弘樹が泣いたのはオレのせい。 オレのせいだけど、オレのためでもあるんだよね? このご飯のことだって、 何もいわないことだって、 オレに触れてこないことだって。 わざと距離をとって移動するのは、オレのためでしょう? だからありがとう。 心友という存在に、ありがとう。 「いっただっきまーす!」 「綺麗に食べて下さーい」 「うふへっ。ん、うまい!」 「弘樹と違って作り慣れてるしね」 [*前へ][次へ#] [戻る] |