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『……─チョウが…んと、?』

『わら……やったッス…!』

『……、…まはね…──から』



突然聞こえてきた声に、ゆっくりと意識が浮上していく。
でもまだ寝ぼけていて、ドアが開いた音もそんなに気にならなかった。

……頬に、触れられるまでは。



「……チッ、また傷作りやがって…」

「でも見た感じ、酷いケガはなさそうだね。あの灰狼がケガしたっていうから、もっと酷いのかと思った」

「あれじゃないッスかー?蚊に刺されただけでも大事な恋人なら大怪我になる!みたいな」

「なんであんな奴…俺にしときゃいいのに」


「っ…ひ、ぁ…あ゙、やだ…っ!」


「……黒蝶?」



なんで?
何でなんでオレに触んのっ!?

嫌だ、やだ、触んないで…っ…もうこれ以上、オレに触れないで…!



「っ…嫌だぁああ!!嫌だ、はな、離して…っ、やぁああ゙ーっ!」


「っ、おい、黒蝶っ!?」



紫の、あのニヤニヤした下品な笑いが消えていかない。
目を瞑っても、耳を塞いでも消えてくれない。

嫌だ、触らないで。
何でコイツはオレを抱き締めてんの?



……気持ち悪い、怖い、助けて。


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あきゅろす。
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