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意外と鋭い奴だ。
いや、それほどまでに顔に出ていたのか?
どっちでもいいが、このままいると俺までおかしくなりそうだったから、自分の部屋に戻った。
──『辰巳っ!』
「………瑛太…」
守れなかった、守ってやれなかった、あの笑顔を。
何があっても俺にだけは向けてくれていた、綺麗な笑顔を。
ときに泣きそうなほど儚く見える、不安いっぱいの笑顔を。
初デートだと浮かれなきゃ、こんなことにはなんなかったのかもしんねぇ。
ちゃんと周りに気を張ってりゃ、アイツに気づくことが出来たかもしんねぇ……俺の、全部俺のせいだ。
……この2日間、瑛太と会話はするものの、目が合うことはほんの数回しかなかった。
ましてや触れることさえもかなわねぇ。
「申し訳ねぇ…っ!」
俺にすら怯えてしまうほどの恐怖を植え付けちまった。
この情けなさと怒りをどうにかしたく、瑛太が寝たあとに夜の街へ出ていた。
ルールを破ってcolorsが…瑛太の戻る場所がなくならねぇよう気をつけながら、これでもかっつーくれぇ暴れまわった。
なのに、このポッカリ空いた心は埋まらねぇ。
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