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甘えすぎてしまいそうになる。
自責の念に押し潰されそうになる。
辰巳が悲しんでるのに、辰巳に責められてる気分になる。


──汚い、と。


はは…なんて嫌な奴。
人のこと傷つけておいて、悲劇のヒロインのようなフリをして。


深く深く俯いたけれど視界は明るいままで、オレはヘアピンをとって前髪をおろした。

見えにくくなる視界。
……ああ、この髪型が安心するなんて。



「……髪、おろしちまうのか」


「う、…うん」


「そうか。…ついたぞ」



カードキーを取り出してドアを開けると、音に気づいたのか弘樹が部屋から出てきた。

間近まで駆けつけてきそうな勢いに、思わず肩を震わせ、後ろに下がってしまう。


不審に思っただろう弘樹は足を止め、代わりに辰巳が近づいた。



「瑛太、疲れてるらしいからそっとしといてやってくれ」


「お、おぅ…大丈夫か?」


「ぅ、ん…心配かけて、ごめんね」


「んーまぁチームに入ってるわけだし、頬の傷作って帰ってきたときよりは俺も落ち着いてっけどさ」


「はは、ありがとう…」



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