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倒れて動けずにいたシロに近寄り、肩に担ぎ上げたレイジ。
正直いって、ほっとくと思ったから少し意外だ。
なんだ、シロもちゃんと思われてたんじゃん。
「行っちゃったね」
「ああ……ってことでてめぇらも帰れ」
「何いってんだ、これからだろうが」
「バカいえ。周りを見てみろ」
「え……なっ!?」
下っ端は完敗。
ジャックももう動けないだろうし、キンと白虎さんが平然とした顔でこっちにやってくる。
ま、T-cardsの負け、ってことだね。
「出直してこい」
「くそっ…次はぜってぇ手に入れるからな」
「諦めの悪い人ですね…」
「ああ。…よし、けが人の手当てして今日は解散だ」
「じゃあ、ご飯食べに行こうね」
「そうだな。食いたいもん考えとけよ」
……なんて、いっつもオレ優先してくれるんだから、嬉しいよなぁ。
でもきっとカイは気づいてる。
いつもオレが行きたいっていうお店に、カイの好きなメニューもあるってこと。
だって互いに楽しまなきゃ、つまらないでしょう?
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