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「んぅ、うー?」


「俺以外にあんま笑うんじゃねぇ。試合見るんだろうが」


「っは…ああ、そうだった…」



本来の目的を思い出して前を向く。


うわー…シロちっちゃ。
無駄口叩いてないときは素直に可愛いと思うんだけどな…。

なんだっけ、かっこ可愛い?
っていわれてたような。



「きームカつくッス!自分ばっか狙って…!」

「ぶくく、おちびちゃん気をつけなー」

「ジャックは黙ってるッス!って、うわ…あの会長絶対わざとッスよー!」


「確かに…ありゃ会長、狙ってんなぁ」



可哀想なくらいボールが集中するシロに、アタックをバンバン打つ会長。
弘樹の言葉に引き気味に頷いて、勝負の続きを見た。


あの会長…勝つためには手段を選ばないって人かもな。
……ただし、ルール違反にならないように。

だってほら、弱そうな人を狙うな、なんてルールないでしょ?



「おいシロ、打ち返せ!負けんじゃねぇっ!」

「黙ってろッス!自分は怜治さんだけに見てもらえればいーんッス!」


……うん、レイジここにいないけどね。



『あー…白石可愛いな』
『流川になりてぇ…!』
『一途でいいけど…もう少し口閉じてくんねーかな』

『てか会長、マジこえぇ』



………うん、オレも怖いと思うよ。キャーキャーいう人たちにうるさいと叱咤し、バレー選手顔負けの構えをとる。

ある意味凄い人だとオレは思う…けど、好きにはなれないなぁ。



「周りの奴もシロの援護しろよ!」

「……っ、助けられる覚えないッス!」

「このままじゃ負けんだろーがっ!クラス優勝するってみんなで決めただろ…!」



グッと拳を握って熱い闘志を燃やすジャック。うわぁ…アイツってこんな奴だったんだ。

少しむさ苦しいかも。


……まぁ結局、会長のいる3ー5が10点差で勝つことになるんだけれど。



「怜治さーん、どこッスかー!自分頑張りましたーっ」


「……んじゃ、気をつけてやれよ?」


「アンタも、手だけは出さないでよ?」


「ふっ、ああ」


「弘樹も頑張ってな。それじゃあオレは行くから」


「おーファーイトーッ!」




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