27 「んぅ、うー?」 「俺以外にあんま笑うんじゃねぇ。試合見るんだろうが」 「っは…ああ、そうだった…」 本来の目的を思い出して前を向く。 うわー…シロちっちゃ。 無駄口叩いてないときは素直に可愛いと思うんだけどな…。 なんだっけ、かっこ可愛い? っていわれてたような。 「きームカつくッス!自分ばっか狙って…!」 「ぶくく、おちびちゃん気をつけなー」 「ジャックは黙ってるッス!って、うわ…あの会長絶対わざとッスよー!」 「確かに…ありゃ会長、狙ってんなぁ」 可哀想なくらいボールが集中するシロに、アタックをバンバン打つ会長。 弘樹の言葉に引き気味に頷いて、勝負の続きを見た。 あの会長…勝つためには手段を選ばないって人かもな。 ……ただし、ルール違反にならないように。 だってほら、弱そうな人を狙うな、なんてルールないでしょ? 「おいシロ、打ち返せ!負けんじゃねぇっ!」 「黙ってろッス!自分は怜治さんだけに見てもらえればいーんッス!」 ……うん、レイジここにいないけどね。 『あー…白石可愛いな』 『流川になりてぇ…!』 『一途でいいけど…もう少し口閉じてくんねーかな』 『てか会長、マジこえぇ』 ………うん、オレも怖いと思うよ。キャーキャーいう人たちにうるさいと叱咤し、バレー選手顔負けの構えをとる。 ある意味凄い人だとオレは思う…けど、好きにはなれないなぁ。 「周りの奴もシロの援護しろよ!」 「……っ、助けられる覚えないッス!」 「このままじゃ負けんだろーがっ!クラス優勝するってみんなで決めただろ…!」 グッと拳を握って熱い闘志を燃やすジャック。うわぁ…アイツってこんな奴だったんだ。 少しむさ苦しいかも。 ……まぁ結局、会長のいる3ー5が10点差で勝つことになるんだけれど。 「怜治さーん、どこッスかー!自分頑張りましたーっ」 「……んじゃ、気をつけてやれよ?」 「アンタも、手だけは出さないでよ?」 「ふっ、ああ」 「弘樹も頑張ってな。それじゃあオレは行くから」 「おーファーイトーッ!」 [*前へ][次へ#] [戻る] |