26
やっと始まったことにため息をつきつつ、まずは対戦表を見に行く。
人が集まってて見えないな、なんて思ってたら辰巳と一緒に来ていたcolorsの仲間が道を作ってくれて、ありがたく見させてもらうことにした。
逃げようとする弘樹の手をとってね。
(ひぃ、俺絶対に場違いだって!)
「……次の次か」
「だね。オレは…あ、かぶってる」
「チッ、見たかったのにな…1人で平気か?」
何が、視線が。
確かにヒドいことになるかもしれないけど…でも、そんなこといってられない。
オレは勝ちたいんだ。
「大丈夫。だから…辰巳たちも負けないでよ?」
「あたりめぇだ」
「うへー…マジかよ。初っぱなから2ー6と当たってるっつーのに…」
「ジャックだけでしょ?大丈夫だって、ね?」
「エータ…お前なぁ…」
さて、今はどうしようかな。
外でのんびりするのもいいけど、他の試合を見るのもいいかもしれない。
そんなことを思って対戦表を眺めていたら、バレーで2ー6と3ー5が当たっているのに目がついた。
確か、シロと会長…あの会長?
「見てみるか?」
「え?……あ、うん、よく分かったね」
「瑛太のことなら、な」
「っ…バーカ、弘樹いこっ」
「おわ、わっ」
ニヤニヤしながらいっちゃう辰巳に何だか気恥ずかしくなり、弘樹の腕を掴んでムリヤリ引っ張った。
後ろからついてくるけど、見なくても分かる。
絶対笑ってるし…!
「……嬉しそうな顔しちゃってさ」
「え、?」
「タッツー来てからエータ、表情が豊かになった。親友としては悔しいな、ちょっと」
「し、んゆー…?」
「俺ら親友だろ?ははっ、友達以上恋人未満?」
「ぷっ…何ソレ!弘樹だってクイーンにつきまとわれてまんざらでもないって感じのくせに」
……ああ、どうしよう、
親友なんて一生出来ないと思ってた。
嬉しすぎる。
こんな幸せなことばかりでいいのかな…。
横であたふたしてる弘樹を見てまた嬉しくなって、ちょっと口元が緩んだ。
と、その瞬間、後ろから口を押さえられて引き寄せられる。
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