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マジメすぎるのか、グダグダと話し始めるんだ。それを他の人が中断させ、次へうつる。

ま、それがベストだとオレも思うけど。盛り下がっちゃうし。



それから各競技のルール説明や、勝利したあとについて色々説明があった。
みんな生徒会が進行してることもあって、スッゴい熱い眼差しで見つめてる。


ああ、今だけは見られなくてすむ。さっき体育館に入ったとき、足への視線が少し怖かったんだ。



──コツン


「……?」



右側にいる辰巳と手がぶつかった。……というより、当てられたようで不思議に思って辰巳を見上げる。

目があった辰巳は、ニッと笑ってオレの手をとった。
暖かくて、何だか秘密の行動みたいで楽しい。



──ヒソッ


「こうしてりゃ、つまんねぇこの時間も苦痛じゃねぇだろ?」


「っ…アンタ、バカじゃないの?」


「ククッ、かもな」



でも、オレもバカだ。
だって嬉しいんだもん。2人だけの秘密みたいで。

……実際はよく手ぇ繋いだりしてるんだけどさ。


それでもなんか楽しくなっちゃって、辰巳の手を握り返したり指を絡めたり、って遊んでいた。

……ら、オレたちの通り名がマイク越しに呼ばれた。



「ぜってぇ俺らが勝って黒蝶、お前を手に入れてやる……だからその手を離せ!」


「「………、嫌だ」」


「あ゙?!」


「負けないし」

「colors幹部、舐めんじゃねぇよ」


──ザワッ

『うわ、どっち応援しよう!』
『僕は佐々木様かなぁ』
『えー僕は灰狼様っ』

『クイーンも捨てがたいけど今の黒蝶の顔、みたか?』
『ああ、ちょっとキタ…』
『いや、やっぱ棗さんだろっ!』




オレたちの周りにいた人は少し避け、よりキングが見えやすくなる。
変なことをいわれてるのは分かるけど、今は全く耳に入ってこない。


早く、勝負をして祝杯をあげたい。ただそれだけ。



「そんじゃー1日目の球技大会、はっじめるぜぇえ!!」



『『うわぁあ…っ!』』




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