25 マジメすぎるのか、グダグダと話し始めるんだ。それを他の人が中断させ、次へうつる。 ま、それがベストだとオレも思うけど。盛り下がっちゃうし。 それから各競技のルール説明や、勝利したあとについて色々説明があった。 みんな生徒会が進行してることもあって、スッゴい熱い眼差しで見つめてる。 ああ、今だけは見られなくてすむ。さっき体育館に入ったとき、足への視線が少し怖かったんだ。 ──コツン 「……?」 右側にいる辰巳と手がぶつかった。……というより、当てられたようで不思議に思って辰巳を見上げる。 目があった辰巳は、ニッと笑ってオレの手をとった。 暖かくて、何だか秘密の行動みたいで楽しい。 ──ヒソッ 「こうしてりゃ、つまんねぇこの時間も苦痛じゃねぇだろ?」 「っ…アンタ、バカじゃないの?」 「ククッ、かもな」 でも、オレもバカだ。 だって嬉しいんだもん。2人だけの秘密みたいで。 ……実際はよく手ぇ繋いだりしてるんだけどさ。 それでもなんか楽しくなっちゃって、辰巳の手を握り返したり指を絡めたり、って遊んでいた。 ……ら、オレたちの通り名がマイク越しに呼ばれた。 「ぜってぇ俺らが勝って黒蝶、お前を手に入れてやる……だからその手を離せ!」 「「………、嫌だ」」 「あ゙?!」 「負けないし」 「colors幹部、舐めんじゃねぇよ」 ──ザワッ 『うわ、どっち応援しよう!』 『僕は佐々木様かなぁ』 『えー僕は灰狼様っ』 『クイーンも捨てがたいけど今の黒蝶の顔、みたか?』 『ああ、ちょっとキタ…』 『いや、やっぱ棗さんだろっ!』 オレたちの周りにいた人は少し避け、よりキングが見えやすくなる。 変なことをいわれてるのは分かるけど、今は全く耳に入ってこない。 早く、勝負をして祝杯をあげたい。ただそれだけ。 「そんじゃー1日目の球技大会、はっじめるぜぇえ!!」 『『うわぁあ…っ!』』 [*前へ][次へ#] [戻る] |