24 わざとクスッと笑って小首を傾げたら、それが意外にも効いたのか、辰巳は耳をちょっと赤くして顔をそらしちゃった。 そんな辰巳は半袖に長ズボン。 凄くおろしてるから、いつか踏んづけて転ぶんじゃないかな……。 見てみたいかも。 「あ、あのーお2人さん。とりあえず移動しませんかー?」 「……あ、ごめん弘樹」 「んだ、前田いたのか」 「タッツーひどい!全く、あの人たちに勝つにはチームワークも大切なんだぞー?」 「あははっ、ごめんね、ほんと。行こっ、頑張ろーなっ」 「お、おぅ…」 ちょっと弘樹をのけ者にしすぎたかも。こう…普段は何だかんだでクイーンといるからさ、そんなノリで2人で話し込んじゃうんだよね。 だから少し拗ねた弘樹の腕を掴んで、辰巳と一緒にエレベーターに乗り込んだ。 よしっ、気合いは十分! 「やってきたぜ体育祭ーぃっ!」 『『イエーイッ』』 「いーねー気合い入ってんねー。猛練習してきた奴もそうじゃない奴も、今日は楽しもーぜーっ!」 『『わぁああ…っ!』』 「………うっせぇ…」 眉をしかめて小さく呟く辰巳に、苦笑いしか返せない。 まるでライブのようにマイクパフォーマンスをするジャック。 こういう行事はいつも彼が司会役だ。 まぁ…合ってるとは思うけど。 ジャックってその場に合わせて、テンションもちゃんと合わせてくるし。 「まずは注意事項。プラスで会長のありがたーいお言葉だ。静かにしっかり聞けよな!」 『『はーいっ』』 『……盛り上がるのもいいが、空回りしすぎて厄介事を起こさないようにしてくれ。正々堂々と戦うように。 もっとも、スポーツは喧嘩ではなく勝負であり、スポーツマンシップにのっとり…、』 「はーいお疲れ様ッス。んじゃ次、ルール!」 「……会長はいつもあんなんなのか…?」 「うん…会長としては申し分ないっていわれてるけど、こういう場ではちょっとね…」 [*前へ][次へ#] [戻る] |