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「そっか、よかったなタッツー来てくれてさ!」
「………あげないから」
「ん?何かいったか?」
別に…。
そう呟いて弘樹と部屋を出た。
前髪がないだけでこんなにも景色がちがく見えるなんて。
暗かった学校に明かりがついたようだ。
「お待たせ辰巳」
「おっすタッツー!」
「……おー」
眠そうに片手をあげて応える辰巳は、同じ制服を着てるとは思えないほどかっこよかった。
あ、オレの贔屓目ではない…はずだから。
軽く腰パンにしたズボンは足の長さを隠さず、いい感じにダボッとしている。
このダボダボ具合、他にない。
まだ暑いってこともあってか、Yシャツ一枚だ。
第2ボタンまで開けているそれはどこか…その、色っぽい…?
「………瑛太」
緩く結んだネクタイを胸ポケットに入れてるのも辰巳らしいや。
でも何だろう…あまりここではして欲しくない格好かもしれない。
「瑛太っ!」
「……わっ、え?」
「ボーッとして大丈夫か?ねみぃなら休めよ」
「ぇ…え、オレそんな止まってた?」
「うん。つかタッツー見てた?」
うわぁあ…恥ずかしい。
パッと見て一緒に食堂に行くつもりだったのにな…大声出されるまで見てたって、オレが変態みたいだ。
赤くなった顔を隠すように俯いて、一緒にエレベーターに乗り込んだ。
だけど今度は辰巳がオレを見てきて…。
「…ど、どうかした?」
「お前、どこの優等生だ」
「え?……あ、いやこれは…」
オレの今の格好。
上まであげたズボンにネクタイ。10月に入ってオレ的には寒くなってきたからブレザー。
確かに今までは真面目くんできたからよかったんだけど…
やっぱ、変かも。
「おら、こっち向け」
「……ん」
(うわー…俺アウェー!)
辰巳の方を向くと、自分のしたいようにオレを弄りだした。
ズボンは辰巳ほどじゃないけど少し下げられ、ネクタイも少し緩めてボタンを一つ開けた。
……でも何で髪の毛触ったんだろ?
「今日はこんなんだが…ブレザーよりガーディアンのが瑛太には似合うな」
「そう?じゃあ明日からは…」
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