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「でも、先輩は先輩です。ちゃんと駿先輩のこと好きでした。…だから、好きになってくれてありがとうございました」
「そうか……なら、いい」
遙香の力になってたならそれでいい。少しでも好きになっていてくれたならそれでいい。
俺のしたことはムダではなかったんだな。
「じゃ、ゆっくり休めよ」
「はい、おやすみなさい」
「……ああ、おやすみ」
家の中に入っていく遙香をみて、力が一気に抜けた。
フられんのがこんなにツラいとは思わなかった。始めから知っていたはずなのに、過信しすぎたな…。
遙香と付き合ったのは1ヶ月半ってとこか?結局敬語はとれねぇし、セックスだって1回しかしてねぇ。
おまけにソレは俺の名前を呼ばなかった。
なぁ遙香、お前は汚れてなんかねぇよ。俺が…俺や理樹たちがお前を手に入れるために必死になりすぎたんだ。
だから、遙香は純粋に恋をしてくれ。
「……ハッ、どこまでバカなんだ俺は」
無理やり奪うなんてこと、出来なかったな。
* * *
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