4 「でも、先輩は先輩です。ちゃんと駿先輩のこと好きでした。…だから、好きになってくれてありがとうございました」 「そうか……なら、いい」 遙香の力になってたならそれでいい。少しでも好きになっていてくれたならそれでいい。 俺のしたことはムダではなかったんだな。 「じゃ、ゆっくり休めよ」 「はい、おやすみなさい」 「……ああ、おやすみ」 家の中に入っていく遙香をみて、力が一気に抜けた。 フられんのがこんなにツラいとは思わなかった。始めから知っていたはずなのに、過信しすぎたな…。 遙香と付き合ったのは1ヶ月半ってとこか?結局敬語はとれねぇし、セックスだって1回しかしてねぇ。 おまけにソレは俺の名前を呼ばなかった。 なぁ遙香、お前は汚れてなんかねぇよ。俺が…俺や理樹たちがお前を手に入れるために必死になりすぎたんだ。 だから、遙香は純粋に恋をしてくれ。 「……ハッ、どこまでバカなんだ俺は」 無理やり奪うなんてこと、出来なかったな。 * * * [*前へ][次へ#] [戻る] |