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「あ、彰ちゃん」

「んぁ?今帰りか。どうだったんだ?」

「んとね、また話かけられたの…」

「そうか…」


(チッ…やっぱ絞めるか)


 ぎゅっと抱きついてくる遙香の頭を撫でながら心の中で舌打ちをする。幸慈のせいで余計に甘えるようになった遙香。このままではもっと心を閉ざして人との関わりをなくしてしまう。

 …まぁそれはそれで彰鬼にとって都合がいいのだが。


「とにかくなんかあったときは呼べ。すぐ駆けつけてやる」

「ん……彰ちゃん、これから行くの?」

「ああ。鍵はちゃんと閉めとけよ」

「もう、子供じゃないもんっ」

「はは、んじゃあな」


 最後にガシガシと頭を撫で、彰鬼は出掛けていった。長い金髪が夕日に照らされ、遙香は目をキラキラさせてそれを見送る。そしてハッと気がついたように家に入り、ちゃんと鍵をかけた。

 遙香は言い過ぎだ、と思っているが彰鬼のいうことの方が正しい。遙香が知らないだけで家に勝手に入ろうとする人や、ストーカーなどがわんさかいたのだ。あの3人が裏で手を回さなければ今ごろ誘拐、なんてこともあっただろう。








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あきゅろす。
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