3 「え゙ー!?ひどっ、カゴに入れろよっ」 『だってこっちのがおもしれーし』 『小鳥遊くんとユッキーだったら…ねぇ?』 「ギャーッ遙香助けてくれっ」 「ふふ…ごめん幸ちゃん…負けちゃったね」 「『あ』」 終了時間はとうに過ぎていた。よく見れば全校で幸慈を笑っているし、遙香は本当に楽しそうにしている。そんな姿を無防備にさらすものだから、何人かの男は顔を赤らめていた。 「……おい、早く戻れ」 「あ…ごめんなさい駿先輩」 「いや、楽しそうで何よりだ。…が、あまり笑顔を振りまくなよ?」 「……?」 「………、よし、戻れ」 「『はーい』」 キョトンと見上げられてしまえば何もいえなくなる。そのまま駿に促されてみんなはクラスの位置へ戻り、他が終わるのをのんびりと見ていた。 「遙香!一緒にメシ食おうぜ?」 「ぇ、あ…ん、でも…」 「……あ、会長?」 「うん…ごめんね、誘ってくれたのに…」 「いいって、気にすんなよ。じゃあ午後も頑張ろうな」 「うんっ」 [*前へ][次へ#] [戻る] |