お泊まり
突然の電話に泊まりの誘い。遙香は驚いたように言葉を発せず、駿はバツが悪そうに続けた。
『いや、無理ならいい』
「……あ、いえ、僕でよければ…駿先輩のお邪魔にならないなら」
『んなことない。じゃあそうだな、土曜に迎えに行こう』
「はいっ!待ってますね」
久しぶりに長く一緒にいれるとあり、遙香も嬉しそうに返事をした。ここ最近は零鬼と幸慈としかまともに話してなかったから、余計に会いたくなってしまったのだ。
そして泊まりのことを零鬼に告げると、今度は零鬼が驚いたように目を見開いた。
「え…ハルハルが泊まり!?ほんとか!?」
「う、うん。あの…ダメかなぁ?」
「ダメじゃねぇけど…大丈夫か?誰だ?」
「えっと、駿先輩だよ。多分大丈夫だから…ね、行ってい?」
「……しょうがないなー気をつけろよー?」
「わーい、零にぃ大好きっ」
(彼氏とかじゃねぇよな…)
嬉しそうに抱きついてくる遙香に少し心配になるが、遙香が決めたことならと口は出さないことにした。ここで狛璃の名前を出せばまた傷つくに決まっている。
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