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そして土曜日、11時頃になって駿は遙香の迎えにやってきた。あいにく零鬼は仕事で家にはおらず、しっかりと鍵をしめて家を出る。
「家行く前にメシ食ってこう」
「あ、じゃあ僕パスタが食べたいですっ」
「店、知ってるか?」
「はい!…あの、手、繋いでもいいですか?」
「当たり前だろ」
ほら、そういって遙香の小さな手を握る。そこから伝わる暖かさに遙香の顔は自然とほころび、嬉しそうに駿の横にピッタリとついた。そしてお店に移動しようとしたとき…、
「……は、るか…?」
「ぁ……」
「おい遙香、んでソイツといんだよ!?」
「っ…彰ちゃんには関係ないよ。これから駿先輩の家に泊まりに行くから、もう行くね」
「は、ぁ!?」
家から出てきた彰鬼と鉢合わせしてしまった。親しげにしている2人をみて思いっきり眉をひそめ、駿を睨みつける。
「てめぇ遙香に何をした」
「さぁな。…それに今日、するつもりだ」
「あ゙ぁ!?」
「やめて!駿先輩睨んじゃダメッ!……ぼ、僕、駿先輩と付き合ってるんだもんっ」
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