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作りものの笑顔から無表情。黒…という訳ではないが、本来の遙香でないのは一目瞭然だ。裏切られて、纏わりつかれて、それで出た結果は感情を与えないものだった。
それは、怯えられるよりも、怒られるよりもツラい拒絶。
「遙香、んな顔すんな。お前には笑顔が一番だろ?」
「ん、うん……ありがと、駿先輩っ」
「うわー遙香ちげー…。ま、いいや、俺は邪魔みたいだから行くな」
「あ、ごめんね幸ちゃん……あと、ありがとうっ」
「いーえ、お幸せにー」
(なんて…結構ショックだったりー)
ショボーンと食堂へ向かう幸慈は、周りからみたら負のオーラたっぷりだったとか。そして残った3人…いや2人は、会長専用の部屋に移り、一緒にお昼を食べた。
▼理樹side
なんで、それしか出てこない。
ああ、今ならハルちゃんの『なんで』が分かる気がするよ。
「俺は遙香にあんな顔をさせるつもりはない」
「別に…僕だってそうしたい訳じゃないよ」
「でもさしてんだろ?話は聞いたが…どんな言い方したんだ、お前ら」
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