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(でも気になんだよなー)


「……幸ちゃんは、優しいね」

「は、ぇ?」

「だって聞きたいって顔してるのに、僕を思って聞かないんでしょ?」

「あー…はい、まぁ」

「あのね、幸ちゃんは裏切らないでしょ?だから…かな?」


 少し寂しそうに窓の外を眺め、遙香はそういった。その顔はどれだけツラい思いをしたかよく表していて、幸慈はどんなことがあっても守ろうと思った。…まさか、あれを知らされるとも思わずに。

 お昼になるといつもと少し違うことが起きた。幸慈がお昼のために教室を出て行こうとしたとき、廊下が一気に騒がしくなったのだ。


『ヤバイ、チョーかっこいいんだけど!』
『こんな間近で見たの初めてーっ』
『うわ、負けた』



「遙香」

「あ……かぃ、駿先輩」

「え゙、ちょ、遙香!?どーいうかんけ!?」

「福永幸慈うるせぇ。黙ってついてこい」

「……え、俺もッスか!?な、なんだ…っ」





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