狂う日常
(なんで…っ、なんで見て来るの!?気持ち悪い…)
もう何年もこうだけど、慣れるなんてことはなかった。嫌悪に顔を歪めながらクラスに入る。ここではもう遙香を見る人はほとんどいなく、ホッと息を吐いた彼は席について本を読み始めた。
「おっはよーみんな!」
『お、ユッキーおは♪』
『朝からうっせぇな…俺にも元気分けろ』
「へへ、おっ遙香もオハヨ」
「………」
「あ、名前勝手に呼んじゃうけどい?いーよね、うん」
(勝手に呼ばないでよ…)
そんな意味を込めて幸慈を一睨み。だけど反応を返してくれたことだけで嬉しかったのか、幸慈は調子にノってどんどん話しかけてくる。
「なー、なんで他んとこ混ざんないわけ?」
「………」
「はーるーかーチャーンッ」
「っ…うるさい」
バンッと本を机に叩きつけ、もう一度幸慈を睨みつける。それに気づいたクラスメートが彼を呼ぶが、幸慈はただ楽しそうに遙香を見てるだけ。
(何でまだ見てるわけ…おかしいんじゃないの)
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