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「少し僕と話さない?」

「あ…えっと、バイト中ですから失礼します」

「ぇ…あ、そう。じゃあいいや」


(ハルちゃんがいないなら意味ないや)


「あ、ありがとうございまし、たっ」


 ペコッと頭を下げて理樹を見送る。それから2時間ほどバイトをし、今日の分は終わった。…というよりは午前中でほとんど売り切れてしまったため、終えざるをえなかったのだ。

 そこで彰鬼はタバコを吸いに部屋に戻り、幸慈は女の子をナンパしにいった。1人になった遙香は貝殻を拾いたいな、なんて思ってしまう。人気のない方へ足を進め、貝殻が多くある所に出る。


(わ…綺麗なのいっぱい!)


 足がちょっと危ないが、それを気にせずに遙香は貝殻を拾い集めていった。ストラップを作ろうと思っているのだ。…が、


──ジャリッ…


「っ!?」

『ねぇ君、何してーんの?』

「あ……あ……っ」

『うはーかわいっ』


 遙香のあとを追いかけてきた人が1人、いた。





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