5 「少し僕と話さない?」 「あ…えっと、バイト中ですから失礼します」 「ぇ…あ、そう。じゃあいいや」 (ハルちゃんがいないなら意味ないや) 「あ、ありがとうございまし、たっ」 ペコッと頭を下げて理樹を見送る。それから2時間ほどバイトをし、今日の分は終わった。…というよりは午前中でほとんど売り切れてしまったため、終えざるをえなかったのだ。 そこで彰鬼はタバコを吸いに部屋に戻り、幸慈は女の子をナンパしにいった。1人になった遙香は貝殻を拾いたいな、なんて思ってしまう。人気のない方へ足を進め、貝殻が多くある所に出る。 (わ…綺麗なのいっぱい!) 足がちょっと危ないが、それを気にせずに遙香は貝殻を拾い集めていった。ストラップを作ろうと思っているのだ。…が、 ──ジャリッ… 「っ!?」 『ねぇ君、何してーんの?』 「あ……あ……っ」 『うはーかわいっ』 遙香のあとを追いかけてきた人が1人、いた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |